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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

「これ、ヤバくない?」
「ヤバイな…」
「ヤバいヤバい!」

俺が1人穏やかな心地で歩いていると、竹崎、滝沢、小津が3人で何か"ヤバイ"と言い合っている。

近づいてみると、俺もヤツらの意図することがわかった。
男女の性器を型どったお供え物…。

「これなら花ちゃんもわかると思う?」

「わかるかなぁ?」

「やめとけよ」

できれば見せたくない。
宮石も、"ヤバイ"とか言うんだろうか……。
俺の中の宮石イメージを崩したくないっ。

「花ちゃん!おいで!面白いのあったよ!」

竹崎は、伊織と向かいのパネルを見ていた宮石を呼びつける。

「なあに?ん?…お祭りの飾り?」

「なっ……」

一目でわかった伊織が、顔をこわばらせて俺らを見回した後、隣でぽやんとしている彼女に恐る恐る顔を向ける。

「こっちが男でこっちが女だって」

フツーはそんな説明も要らないだろうけど。

「ふうん。タレ目君なんだねぇ。女のコは、お口が可愛いっ。"ぽっ"て感じ。…目がみっつ?」

タレ目?カリのラインか?
お口はお口でも下の……。
目って、上部のポチっとしたアレもか?……怖っ。

「顔じゃないんだけど」

「え、そなの?お着物?」

未だ照れずに角度を変えてマジマジ見ている。
本当にわからないんだ……。

そりゃ真っ白くてわかりにくいかもしれないけど、男の形はそのもの……伊織の、間近で見たことあるんだろ?

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