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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

「も、行くぞ。花野、おいで」

口元を緩ます伊織が、宮石の手を引いていく。

「ねぇ、マコ。花ちゃんって、ピュア通り越してるよね」

「花野らしいよ」

「速水のアレって、剥けてない?これじゃわからないくらい、ちっちゃかったりして!」

…昨日の伊織、フツーだったよな?
んなもんよくは見ちゃいないけど。

「竹崎。お前っ、見てもないのにやめとけ」

滝沢ってまともだ……。

そりゃ、全くわからない宮石もどうかと思うが、こいつはありえんだろ。
竹崎、マジで俺のこと好きなのかよ?

「うーん。花野のことだから真っ暗でシてるんじゃない?」

「ありえるっ!それか、速水の趣味で、縛られた上に目隠しされてんじゃない?きゃー」

「勃たない病気かもよ?」

伊織…お前、さんざん言われてるぞ……。

「でも、わかりそうなもんだけどね」

「フシシ」と堂々と話しだす女子2人組に、傍で聞いていた別グループの男子が声をかける。

「お前ら、女子がそんな大声で恥ずかしくないのか?」

「だって、話題の中心がこんな目立って展示されてるんだよ?それに男、でかすぎ!こんなの入んない」

「まあね…」

その男は苦笑しながら俺の肩にポンっと手を置いて、俺たちを見送った。

俺は竹崎と関係ないってのに。

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