
僕ら× 1st.
第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt
スマホ操作が一段落した様で、母親が席を立つと、トーマ君が宮石に挨拶に来た。
「花野ちゃん、バイバイ」
小さな手を振る。
「トーマ君、バイバイ」
とその時、男の子が背伸びして、目線を合わすのにかがんでいた宮石に…チュッ……。
カシャンと、伊織が持っていたフォークを落とす。
「うわ、生チュウ見ちゃった」
それをまた、竹崎が煽る。
「い、伊織?」
宮石を除く4人の目が、彼氏伊織の動向を見守る。
伊織は、鋭い目つきで去っていく男のコの背中を睨みつけていた。
襲いかかったら俺が止めなきゃな…と思ったが流石に相手は幼児、伊織は動かなかった。
「びっくりした……」
照れ笑いで自分の席に戻る宮石に、竹崎が聞かなくてもいいことを尋ねる。
「どんな味?」
「え?メイプルシロップ?」
「そらそうだろっ。ホットケーキ食べてんだから!ほらっ、化粧室行ってうがいっ!早くっ、Go now!」
勢いよく伊織が立ち上がり、進む方向を指し示す。
「え?いいよぉ」
伊織の剣幕に、たじっとなる宮石。
「クチゴタエ禁止!この水、口に入れな!絶対に飲むなよ?」
自分の水グラスを宮石の口元に当て、無理矢理傾ける。
「うっく……」
「立って!向こうで吐く!」
と、水を含んだ口で「んーっ」と苦しそうに唸る宮石を、引きずるように引っ張っていった。
あーあ。
伊織様、おキレになられたよ。
「花野ちゃん、バイバイ」
小さな手を振る。
「トーマ君、バイバイ」
とその時、男の子が背伸びして、目線を合わすのにかがんでいた宮石に…チュッ……。
カシャンと、伊織が持っていたフォークを落とす。
「うわ、生チュウ見ちゃった」
それをまた、竹崎が煽る。
「い、伊織?」
宮石を除く4人の目が、彼氏伊織の動向を見守る。
伊織は、鋭い目つきで去っていく男のコの背中を睨みつけていた。
襲いかかったら俺が止めなきゃな…と思ったが流石に相手は幼児、伊織は動かなかった。
「びっくりした……」
照れ笑いで自分の席に戻る宮石に、竹崎が聞かなくてもいいことを尋ねる。
「どんな味?」
「え?メイプルシロップ?」
「そらそうだろっ。ホットケーキ食べてんだから!ほらっ、化粧室行ってうがいっ!早くっ、Go now!」
勢いよく伊織が立ち上がり、進む方向を指し示す。
「え?いいよぉ」
伊織の剣幕に、たじっとなる宮石。
「クチゴタエ禁止!この水、口に入れな!絶対に飲むなよ?」
自分の水グラスを宮石の口元に当て、無理矢理傾ける。
「うっく……」
「立って!向こうで吐く!」
と、水を含んだ口で「んーっ」と苦しそうに唸る宮石を、引きずるように引っ張っていった。
あーあ。
伊織様、おキレになられたよ。
