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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

「えっ?えっ?まさか……」

顔と両手を勢いよく横に振って否定する。
ほらね。
でも、"まさか"って…まさか?

「まさかって、シてないの?」

「いや、小津。ここでそんなこと聞かなくても」

宮石は目を泳がして、すごく居心地悪そうにしている。
だって、その会話、俺も聞いてるんだから。

「あの、花野さん?速水とキスはしましたか?」

小津は質問を変えた、けど。
え?何を今更。

「してないですよ?」

それはないだろ?

「いやいや、ウソは言わなくてもいいから」

俺、この場にいない方がいいかな。
竹崎とかち合うかもしれないが、土産物でも見に行こうとしたら、耳を疑う宮石の台詞が聞こえた。

「だって、さっきのトーマ君が初めて…だよ?」

「はぁ?あれがファーストキスぅ?」

小津がすっとんきょうな声をあげる。

「マコっ、声が大きいよっ!」

「信じられる?ヨーダっ」

「いや、俺に聞かれても」

信じられない。
でも、宮石がウソを言ってるとも思えない。

「……どーせ、あんたが拒んだんでしょ?」

「えーと……そうかも。いやっ、違うのっ!」

そうなんだ……。

「速水っ、かわいそっ!」

同感っ!
流石、恋愛唐変木!

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