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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

「へぇ?やっぱりあれはウソ?」

「ウソじゃないけどさ。すみません、花野さん。俺はもっと不埒なこと考えてます…って感じ」

「あはは、正直っ」

「聞いちゃった」

廊下を曲がった先の階段一段目に腰かけて、小津がニヤニヤ笑っていた。

「んだよ。そんなとこで待ち伏せてんなよ」

「あんた、早く花野をものにしちゃいなさいよ」

「何でお前にそそのかされなきゃなんないんだ?俺を煽って別れさせる気?」

ああ、吉坂派だもんな、こいつは。

「あんたが幸せそうじゃないと、私が遠慮なく苛められないでしょ?」

当人じゃないから面白いけど、酷い言いぐさだな。

「俺はお前のストレス発散パンチングバッグかよ?」

「その通り!生かさず殺さずよ。ほら、可愛い可愛いショコラちゃんの部屋番号…伊織君、来てね?ヨーダにも由奈の番号」

と、伊織と俺に紙切れを渡す。

「"伊織君"ってお前が言うな」

それはお約束なんだな。

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