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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

怪しく笑う小津から離れて部屋に着く。
室内の照明をつけて中に入り、荷物を下ろす。

「今夜、宮石に会いに行くの?」

「うーん。小津がらみだからなぁ……お前こそどうなんだよ。竹崎と…不思議な雰囲気」

「不思議なって…そりゃ、嬉しくなくはないけど」

好意は嬉しいけど、時々…いや大体、下品な男と話してるような気分になるんだ。

「そのうち情が湧いて離れられなくなるんじゃない?あいつ、結構いいヤツだと思う。あのキャラじゃないと…道化てないといられない心境なんじゃないかな」

恐ろしいこと言うなよな。

「サッカー以外に話があんま合わないんだよ」

俺は宮石とはスポーツ以外の話なら、相性いいと思ってる。
スポーツ話もできなくはない。
俺が教えっぱなしになって、それはそれでいいかもしれない。

俺はふと思い出して尋ねてみた。

「なぁ、バードウォッチングの部屋で宮石と何を話してたの?」

「んー?いろいろ、興味あることを思いつくまま」

はぐらかしたか?
ま、いいけど。

俺の知っている彼女は…。

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