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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

コメディタッチの映画やドラマが大好きで。

「だろ。構えなくても、焦らなくても笑ってくれるし。俺もあんなトボけた女のコがいい」

たまに天然満載なことを言うのがまた、愉快で。

「トボけ具合、尋常じゃないけどな」

世界遺産である熊野古道を"熊の歩道"って思ってたこともあったな。
以来、熊野古道とニュースでも聞くと、熊が歩道をテクテク歩く姿を思い浮かべてしまうんだ。

"ひおし狩り"とか、"手持ちぶたさ"とかの言い間違いは数えきれない。

海外生活が長かったからなのか…。
宮石からは不意に、おかしな空間がポンっと飛び出す。
油断していると、その魅力的な中毒を伴うラビリンスにいつの間にか入り込んでしまうんだ。

ま、これは宮石に懸想した俺の言い分だけど。

「そこも可愛いって思ってんだろ?」

俺は、そう思ってるから。

「……時々、グサッとくるけどね。俺、"小津とお似合い"てニコニコして言われたことがある。アル兄とデキてるって思われたこともあったし」

うっ、それは…。

「悲惨だな」

弟にされたり、天敵や男とデキてると思われたり…。
それで、キスも拒まれてまだとか。

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