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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

ごめんね。
声を出したくなっちゃうよね…。
でも、我慢だよ?

恥ずかしさの中でも感じてくれている彼女は、俺をより昂らせる。

たっぷりと潤う彼女の中に、指を進ませる。
彼女は観念したのか、期待しているのか、また目を閉じる。

注意して耳を向けると、カタンコトンに混じってその音が聞こえてくる。

ちゃぷ、ちゅく、くちゅ…。

俺は周囲の人間に気をつけながら、彼女に快を与えようと指を伸ばす。
でも、この姿勢では奥まではどうしても届かなくて。

それでも小刻みに振動させたり、2本をバラバラに動かして彼女の中をかき混ぜた。

と、あるエリアで強くなる彼女の反応。
ふやけてきた指を折って、その浅瀬を優しくこすりあげていると、次第に熱さが増す俺の右手の中で、彼女の声が響いた。

身体を丸める彼女の、俺の指の隙間から、熱い液体がサラサラと流れる。
もしかして、潮?

そう思った時、グワンッと車内が縮まるように揺れて、窓の外が暗くなった。

トンネルに入った列車の窓に映る自分の影。
伏せる彼女は見えないはずだけど、もしどこかに反射していたりしたら大変っ。
俺でさえ見てないのに。

俺は彼女から指を引き抜き、ワンピの裾を直した。

ちょうどそこへ、向こう正面のドアから「お弁当、水筒はいかがですか?」とパーサー(車内販売員)が現れ、彼女がパッと身を起こす。

そんなあからさまな動き、逆にバレちゃうよ…と思うけど、そんな考えのない彼女って可愛いよね。

俺のせいでジュクジュク下着の彼女は、「気持ち悪い」と苦情。

お茶を1本買った俺は、彼女と一緒に喉を潤した。
陽気な音とともに、車内アナウンスが駅が近いと報じる。

「続きは、どこでしよ?」

そう言いながら、俺のカタくなったそこに彼女の手を導くと、「っもう…」と困り笑いした。

俺の胸は幸せに包まれる。

………

僕が目覚めたのはどこかのホテル。

耳にはカタンコトンと音が残っている。
まさか、今の夢のような夢はっ?

と、隣のベッドから男の声。

「おはよ。伊織、いい夢みてただろ?」

いい夢?
だったっけ?

「いや、ずっと列車に揺られてただけ…」

そう返すと、ニヤッと笑う晄志だった。

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