テキストサイズ

僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

~小津茉琴side~

「速水のヤツ、来ないねぇ」

「伊織君は真面目だもん。来ないよ」

「俺、不真面目?」

ここは、花野のクラスの女子2人部屋。
同室の女のコは不祥事を起こしたから、実質的には花野の個室。
なので私は本日、ここに泊まる予定。

消灯前、私の彼氏の康史も交えて3人でグダグダお喋り中。

「花野が男とキスしたから拗ねてるんじゃない?」

あの男のコのこと、凄まじい形相で睨みつけてたもんなぁ。

「そんなことないよ。水族館では機嫌よかったし」

あんたに"伊織君とだなんて絶対イヤ!"なんて言われて、プチッとキレてたと思うけど。
あれからもうべったべたに花野を触っていたヤケクソ速水だったし。

「いっやぁ、気にしてたよ?あの後のタクシー内で"あんのマセガキ"って怒り狂ってたし」

「愛されてるねぇ、花野ちゃん」

生意気速水は好みじゃないけどさ。
ちょっと羨ましかったり思うのは仕方ないでしょ?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ