
僕ら× 1st.
第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt
「小津、それって実話?」
さっきまで満面な嬉しさの表情だった速水が、パタッと訝しげに尋ねてきた。
疑り深いわね。
ま、今までの私の言動からでしょうけど。
「そーよ。あんたに抱かれたいって」
「それはウソだろ」
そのとーり。
「キスは意識させといたから。次はきっとできるよ」
「余計なことしなくていいから」
"あっち行け"とでも言うように、速水は手を動かした。
そんなの自分で決めるわ。
速水の指示には従わず、質問を繰り出す。
「ねぇ、康史ってどう思う?」
速水と通路を進みながら会話する。
「いいヤツなんじゃない?昨日初めて喋ったけど」
私もいいヤツだとは思うけどね。
「アル先パイのこと、"鬼畜ゲイ"なんて言うのよ」
「そりゃ、自分の彼女が少なからず想ってる男だし、嫉妬もあるんじゃない?」
そうなのかなぁ?
「そこら辺の事情は、康史は知らないと思うんだけどなぁ」
「ま、いいじゃない?アル兄は気にしてないから。花野も何も言わないだろ?」
「花野?あのコは噂に疎いもの…あれ?速水、知ってるの?」
「何を?」
アル先パイが誰を想っているのか、卒業ボタンを誰に渡したのか。
「知ってんのね?わざとなのね。私、あんたのそういうとこ、嫌い」
「何のこと?」
知ってて私に話を振っている。
隠してもお見通しだと、それとなく示す。
「ホント、この男は…」
いろんなところにアンテナを張り巡らして、したたかなんだから。
「俺はアル兄のこと、尊敬してるよ。でも、花野のことは誰にも譲れない」
「よろしい。あんたは一生、アル先パイのしもべ」
「ははっ。小津って結構鋭いな」
何言ってんのよ?
あんたの彼女が鈍すぎんのよ。
私を侮らないことね。
さっきまで満面な嬉しさの表情だった速水が、パタッと訝しげに尋ねてきた。
疑り深いわね。
ま、今までの私の言動からでしょうけど。
「そーよ。あんたに抱かれたいって」
「それはウソだろ」
そのとーり。
「キスは意識させといたから。次はきっとできるよ」
「余計なことしなくていいから」
"あっち行け"とでも言うように、速水は手を動かした。
そんなの自分で決めるわ。
速水の指示には従わず、質問を繰り出す。
「ねぇ、康史ってどう思う?」
速水と通路を進みながら会話する。
「いいヤツなんじゃない?昨日初めて喋ったけど」
私もいいヤツだとは思うけどね。
「アル先パイのこと、"鬼畜ゲイ"なんて言うのよ」
「そりゃ、自分の彼女が少なからず想ってる男だし、嫉妬もあるんじゃない?」
そうなのかなぁ?
「そこら辺の事情は、康史は知らないと思うんだけどなぁ」
「ま、いいじゃない?アル兄は気にしてないから。花野も何も言わないだろ?」
「花野?あのコは噂に疎いもの…あれ?速水、知ってるの?」
「何を?」
アル先パイが誰を想っているのか、卒業ボタンを誰に渡したのか。
「知ってんのね?わざとなのね。私、あんたのそういうとこ、嫌い」
「何のこと?」
知ってて私に話を振っている。
隠してもお見通しだと、それとなく示す。
「ホント、この男は…」
いろんなところにアンテナを張り巡らして、したたかなんだから。
「俺はアル兄のこと、尊敬してるよ。でも、花野のことは誰にも譲れない」
「よろしい。あんたは一生、アル先パイのしもべ」
「ははっ。小津って結構鋭いな」
何言ってんのよ?
あんたの彼女が鈍すぎんのよ。
私を侮らないことね。
