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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

「まったくお前らは、何をしてるんだよ?」

根岸に引率されて帰路につく。

「大丈夫、手は出してない」

あんな場面を見られても、動じない速水はある意味、男らしいような?

速水の横を行く花野は、舐められた耳が気になるようで、しきりに触ったり引っ張ったりしている。

「いや、お前の出さない基準がわからない」

根岸が鼻で「ふーっ」と大きく息を吐くと、煙草の臭いがした。
愛煙家だったのか。

それは置いといて、速水ったらキスもしてないくせに、耳に舌入れてたよね…。
その方がよっぽどいやらしくて、優しい攻めを目の当たりにした私まで疼いてくる。

きっと童貞のくせに、速水はどこでそんなこと学んだんだろう。
もしかして、アル先パイと一緒にエロいの見たりするのかな。
柊先パイって盛んらしいからな。

「速水って耳フェチだったんだな」

ねぇ、康史も速水がやったように私にしてほしいな。
さっきみたいなんじゃなくって、もっと可愛がるように、愛情をもって。

「口は嫌がるから、耳ならいいかと思って」

変に前向きなこの男。
昨日の水族館でも、拒絶されたのに抱きついてたな。

「嫌がられてんならするなよ」

と、根岸は更にため息を吐く。

ま、それが普通の考え方だよね。

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