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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

~速水伊織side~

リビングにボストンバックをどさっと下ろすと、ソファに埋まっていたアル兄が「おかえり」と顔を出した。

「いたの……ただいま。柊兄は?」

「彼女んとこ」

そう言いながら身体を起こしてきた兄貴と、晩ごはんを食べた。

トレイを片付けながら、僕は旅行中に気づいた疑問を口に出す。

「ねぇ、アル兄。柊兄の母親って知ってる?」

「いや、知らねぇな。昔は俺、柊と兄弟だと思ってたし」

…見たことないか。

「あの姉妹さ、千夏さんと千春さんでしょ?で、柊兄……。名前が同じ系統だよね?」

「ああ、そうだな。柊には兄貴もいたし、4人きょうだいかもな」

「えっ?もしかして、名前は楸(ヒサギ)?」

「さあ。今はもう存在さえ抹消されてるから…小学校か保育園くらいまでは居たらしい」

抹消?何それ?
No.2:本條の息子なのに?

「どうして?」

「謎。恐ろしいからあんまり突っ込むな。で?だから柊の母親はあいつらと同じだっての?」

「そんな気がして」

「そうかもだけど、どうでもいいだろ。もうあの母親は男と沈められてるよ」

「でもそうなると、あの本條が6年以上もつきあったってことになるんだよ?簡単に消すかな?」

「あいつにそんな情があんのか?」

「それもそうなんだよね」

あの救済条件も意図がよくわかんないんだよね。
一重に娘だからという理由では、迎え入れられないのか?
でも僕は入ったぞ?

よくわからないけど、ショタの相手をさせられなくってよかった……。

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