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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

「来週はプール行こうよ!」

もう当分は団体行動いらないよ。
僕は花野と図書館経由で映画にでも行く。

「いいねー」

戻ってきた滝沢が話に加わる。

"お前らだけで行ってこい"と言おうとしたのに、小津が息を吸い込んでから花野を誘う。

「花野も、行くー?」

少し遠くで黄色と白の百合に囲まれている花野に声が届く。
あ、シャッターチャンス。

オンにしたままだったスマホカメラで連写する。

「うん、行くー」

彼女はシャキッと右手を上げて返事する。

「どこに行くか知らないで返事をすな!」

カメラを下ろして、声を張り上げる。
彼女は口を結んで首を傾げる。

一瞬後、ニコッと笑顔になりこちらに向かって歩きだした。

「じゃ、9時に学園駅前ね」

「お前、勝手に決めんな!」

「速水は来なくてもいいよ?でも、花野の水着姿、見たくないの?こないだ一緒に買いに行ったのにぃ。めっちゃ可愛いよ?」

「…………」

見たいけど、お前らと一緒なんて。

「決まりだなっ!」

と、僕の背中を滝沢はバーンっと叩く。
一方で、花野が手を振って近づいてきた。

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