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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

そして、視線は…ん?僕の足元?

「四つ葉のクローバー、みっけ。伊織君、幸せ圏内!」

僕の靴横10センチ内に、それはあった。

「あんな遠くからわかったの?宮石、視力4とか?」

滝沢が机の下を覗き込み、驚いている。

「このコ、変なのよ。クローバーの声が聞こえるんだって」

「宮石って何者?」

「私、小さい頃、妖精さんになりたかったんだぁ」

滝沢が口を開け、軽いうなずきを繰り返しながら花野を見る。

「今は人間で諦めてるよ」

そんな視線を受けて、恥ずかしそうにおちょぼ口で話す。

「いやぁ、人間とちょっと違うかも。私、時々花野を食べたくなるもん」

"食べたくなる"?
人間とちょっと違うのは小津の方だろ?
"茉琴"じゃなくて"魔琴"に改名すればいいのに。

とにかく今は、シロツメクサの幸せ圏内。
未来永劫、圏外に弾かれませんように……。

その後は4人で騒がしく園内を巡り、それなりに楽しく一日を終えた。

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