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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

順調に短くなっていく行列を終えると、前に大きなダブルボート。
花野は「怖いから」と僕の後ろに回る。

僕としては、前に座ってほしいんだけど…。

「前の方が怖くないのよ?後ろから彼氏に守ってもらえるからね。さ、逆っ!」

係員のお姉さんが花野の手を引き、前後を変えさせる。

グッジョブ!

僕の両足の間にはまりこんだ花野は、心細そうに僕を見る。
係員にボートを押されてグラッと揺れると、僕に抱きついてきた…。

ウソっ……!

ボートが蛇行する度、段差で弾む度に、僕に絡まる腕の力が強くなる。
確実に僕の裸の胸に押しつけられる柔らかい物体。

もう、最高っ!……いや、限界っ?

花野の背に片腕を回し、2人でザッパーンッと着水した。

水面に浮かび上がると、僕に抱きかかえられた花野と目が合う。

「あ、ごめんなさいっ」

パッと僕から手を離して、サイドを目指そうとする。

ふふ、顔が赤いよ?

「進んでないよ?」

すぐに追いつき、花野を抱き寄せて岸まで泳いだ。

先に上がって、梯子を上る花野の手をつかむ。
胸の谷間がはっきりと見えて、その輪郭に目が離せなくなる。
いつの間にこんなに実っ…。

と、その時花野が顔を上げて僕を見た。
急いで僕は視線をどんぐりの瞳にぐいっと移す。

「すっごく速くて怖かった…」

「思ったより揺れたね。でも僕は、もっかい花野と滑りたいな」

手を繋いでプールサイドを歩き、「また並ぼう?」と声をかけるも、怖がり花野はイヤイヤと首を振った。

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