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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

早速、その日から"Tennessee Waltz"や"Smoke Gets In Your Eyes"等のメジャー曲で合わせていく。

何回目かの演奏後に、花野が言った。

「私、桃湖の声、大好きっ!タンゴとかシャンソンとか歌ってほしい!」

って、花野…アコーディオンはともかく、悪魔のバンドネオン弾けるの?

「K.Tみたいだよな」

へぇ、速水も褒めてくれんのね。

「そう!ハンサムボイス!」

「僕は花野に歌ってほしいな」

何気に速水はドラムから離れて、ピアノに近づく。

「聞きたい!」

と私も賛成すると、「んー?」と花野は弾き語りだす。

「じゃ2人は子ども役ね?……お稽古を始めましょ、易しいところから~……ドは鹿の女のコ、レは……」

私と速水を巻き込み、"ドレミの唄(サウンド・オブ・ミュージック)"を主人公の家庭教師マリアになって始めようとする花野。
シュガーなクリスタルボイス。

「勘弁してマリア」

幼児音楽教室の開校を感じた思春期の少年は、訴えた。

速水は、もっと大人っぽく気取りたいらしいよ?

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