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僕ら× 1st.

第2章 バンド始動 --Ior,Kn

天文部か…。
けど、あそこは男子部員が多くて、星空を模した部屋もあるし…。
自分不在のときに、彼女が他の男子と薄暗い部室にいるなんて、絶対に避けたいな。

「それか、サッカー部のマネージャー」

「い?サッカー部?」

…サッカー部に気になる男でもできたのか?
このクラスか?上級生か?

平静を装いつつ、内心穏やかじゃない。
サッカーにそんな興味もなかっただろ?

「うん、ほかに特にないから。リル(伊織)は剣道部?」

彼女がサッカー部のマネージャーをすると言うのなら、僕もサッカー部に入るけどさ……。
目の前で他の男といちゃつかれるのは痛いな…。
何とか何とか阻止したい。

「剣道なら道場とかでできるし。あのさ、特にないんだったら、ピアノとドラムで組まない?僕、フラウと演奏したいな」

彼女の表情をうかがいながら、ちょっと前から温めていたバンド話を伝える。

「リルのご両親と、私のママたちがやってたような?」

彼女の瞳が、キラキラと輝いた。

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