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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

「桃湖!大丈夫っ?」

花野が驚いて駆けてきてくれる。

「うん。あんまり痛くはないんだけど……冷たぁ!」

水はけの悪かった私の落下先は大きな水溜まり。
急いで腰を上げるも、ボトムスは既にぐしょ濡れ。

「よかったな、着替えがあって。お前、相当ツイてるな」

立ち上がった私に、花野の後ろを追って来ていた速水がニカッと笑った。

こいつの思い通りになってしまったのはシャクだけど、背に腹は変えられない。

「速水!着替えるからそこで見張ってて」

舞台袖に隠れた私は、持ってきていたタイトな衣服を鞄から取り出す。

「あー。見えないように気をつけろよー。死人が出るぞー」

小さな声でボソリとジョークを放つ速水は、一応しっかりと門番をしてくれた。

やっぱりお尻が窮屈…と思いながら姿を現すと、そのねきにいた花野が「桃湖、素敵!」とニッコリした。

その声に振り向いた速水も「ほら、そっちの方が似合ってる」と。

「そ、そう?」

まんざらでもなくなった私は、根岸にマイクを渡されて。

時間も削られたので、3人で手短に合わせた。

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