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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

暫く速水と2人で黙々としていたけど、在庫終了にて花野がやって来たので、ふと思いついたことを提案してみる。

「来年はチョコレート入れよっか?」

私がそう言うと、花野が「それいいかも!」と即答、なのに。

「隠し味は隠れているから意味があるんだぞ?」

速水の野郎はやっぱり水をさす。
さっきの不機嫌な口調はおさまったけど。

「ね、ストロベリーチョコなんてどうかな?ピンクのカレーって可愛いでしょ?」

速水の意見は聞き流して、花野ときゃあきゃあ盛り上がる。

「それならイチゴを具にしちゃう?」

「やーめー!ただでさえ高価なイチゴなのに、あえて夏?予算的にも無理!」

ごっつオモロそうなのに、この男は。

私は、子ども向けに始まった吹奏楽部の演奏を聴きながら、来年のためのウイットに富んだメニューをいろいろと考えてみた。

…トビウオ味の綿菓子なんて作れないかなぁ?
アゴ出汁、私、大好きなのよね。

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