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僕ら× 1st.

第12章 夏鍋パ --Hzm

弟妹たちのバンドが引きあげたので、ステージ裏へ足を進める。
リィが出てきて、先程のヨーダと「お疲れ」とハイタッチ。

「お2人で来てくれたんだ」

「セットにしないでくれる?」

リィの発言に、ヨーダがすぐに切って捨てる。
でも、いい掛けあいだったぞ。

「速水、わりかしイケてたよ。抱かれたくはならなかったけど」

こういうコなのか。
まあ、大きな声で…。

「あー、よかった…和波兄!帆澄兄!」

兄貴と俺に気づいたリィが手を挙げる。

「よ!いい感じだったよ」

「うん、うまかった。男が上がったな」

ヨーダと女のコが振りむき、俺たちに注目する。
グランドマスター・ヨーダには見えないな…。

「えっ?速水のお兄様?似てなくてめちゃめちゃカッコいい~!私の処女、貰ってくれませんか?」

"似てなくて"と言われたリィは苦い顔を瞬間見せる。

でもこのコ、初対面の俺らにすごいこと言う…。
兄貴は早々に引いてるし……。
どう返そうか…このコのプライド(あるのか?)を傷つけないようにするには?

「……俺、処女苦手なんだよね。なくしてからおいで」

"要らない"…と、本音を言うには失礼な気がして。

「帆澄兄、お愛想でそんなこと言わないほうがいいよ?こいつ、きっとついてるから」

ヨーダが「あはは」と笑った。

「るっさいわね。あんたらより絶品だからね!」

負けてないよ…。

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