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僕ら× 1st.

第12章 夏鍋パ --Hzm

「マコちゃんはその先パイと仲良いの?」

「いえ、挨拶するくらいです。校舎が違うからそう会うこともないですし。告白する気分にもなれないのに、理想を追っちゃうんです」

じゃあ、見込み薄ってことかな。
でも、2つ上なら来年は同じ高校…って期待があるのかな?

「今の彼氏のどこに不満?」

「え?んー。花野と速水を見てると思うんです。速水が花野にするように私も愛されたいなぁって。私の彼氏にはそれが足りない気がします。自己中というか」

比べられると困るだろうなぁ。

リィは海外住まいが長かっただけあって、レディファーストの精神はこの国の男より存分に植えつけられているだろうし。
物心つく前から、妹に気に入られるために自分ははどう動けばいいかを常に模作してるような男だったからなぁ。

だけど。

「あの、伊織って何をしてるの?花野に…」

と尋ねると、マコちゃんは顔を赤らめる。
おい、伊織……。

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