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僕ら× 1st.

第12章 夏鍋パ --Hzm

「細かいことなんです。道を歩くとき、車道側で守ってほしいとか、アピールしなくても荷物を持ってほしいとか。
ないがしろにされても嬉しそうにまとわりついてほしいとか…そんな何でもないところで、好かれてるなぁって感じたいんですよね」

まとわりつく?ないがしろにされても?
あの2人は何をやってるんだ?

「彼氏にそう言ってみたら?男って言ってもらわなきゃわからないとこ多いから」

もどかしく、鈍いように感じても、向こうは精一杯マコちゃんを想っているんじゃないかな。
きっと、初めての彼女なんだろうし。

「伊織は打たれ強いとこあるよな。それは、幼馴染みの自信なんじゃない?でも、滝沢も筋のとおったいい男だと思うよ?」

うしろで俺たちの会話を聞いていた依田が入ってきた。

「お、よかったじゃないか。身近すぎると見えないもんだからな。これから2人のスタイルを作りあげていけばいいんだよ」

「私が言うと怒らせそうで…」

好かれたわりには受け身なんだな。

「マコちゃんは、自分にもっと自信を持っていいんだよ。キミは大切にされる存在なんだから…甘えながら少しずつ伝えてごらん?それで、彼氏が嫌がるなら、それまでの男だよ」

偽のプライドをとって怒るか、真のプライドを持って応えるか。
それはお互いフィフティ・フィフティだ。

マコちゃん宅到着にて、臨時相談会終了。
出てきた家人に簡単に挨拶して、残るは依田の家。

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