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僕ら× 1st.

第13章 ク"ニコ"ム --Shu

伊織計画は成功をおさめ、火は消し止められて、彩華さんは救急車で搬送される。

これで安心だ。

彼女の状態は、やや痩せた感はあるもののこの間と同じ様な感じだった。
音のする方向に薄い目を向けるも、すぐに閉じる。
事を急いでよかった。
あのままの状態が続くと、目も当てられなくなっていただろう。

本條のヤツ、彩華さんを閉じ込めてどうするつもりだったんだ?

俺と彩華さんの情事を知っての反応なのか?
彼女のこと、その他大勢の遊女と一緒だと思っているくせに。

利用するだけ利用しやがって。
たかがキスマークひとつに嫉妬した?

支配者である自分は、彩華さんの生命をも左右できるんだと、俺に誇示したいがために?

父親への憎悪がこれまで以上に膨れ上がる。

本日、何が起こるかよくわかっていない大輔は、あのまま外で時間を潰して学校へ行くだろう。

容疑者は俺とアル。
目的はバレまくっている。

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