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僕ら× 1st.

第13章 ク"ニコ"ム --Shu

その日のうちに俺たちは小柴の事務所に呼ばれた。

腕を組んで窓際にもたれる無表情男。

実験していたら、燃え広がったと申し訳なさそうに話すアル。

こいつがそんなこと、うのみにするわけねぇけどな。

「お前は発明王か?」と吐き、アルではなく俺を見据える小柴。

この男はどこまで知っているんだろう。

そこへ入ってくる本條。

「こうなったからには、お前に働いてもらうぞ?柊」

怒っているかと思ったのに、ヤツは笑っていた。

……どういう意味だ?

「彩華には豪華な個室を用意させたよ。いつ会いに行ってもいい。但し、管理者俺の言うこと聞けよ?」

ヤツは、病院名と病棟部屋番号を書いた紙を俺によこした。

「わかった」

この場はこう返事するしかなかったし、これでいいと思っていた。

本條に世話になるのだから、言うことを聞くのは当然だと思っていた。

ほぼお咎めなしの解放…そう思っていた…。

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