
僕ら× 1st.
第14章 P波 --Khs,Ior
「"僕のことを匿った家族も巻き添えだ"と親父が言ったんだ」
「ああ」と言って、ほんの数秒の沈黙後、彼は話しだした。
「宮石の兄妹は俺が隠した。お前たち速水一家は、宮石家に身を寄せていたが、匿ったのはあの時一緒に亡くなった別の人間だと報告した。宮石家は何も知らずに巻き込まれた良心的なフェイクだと」
「親父たちはそれを信じてるの?」
「だろ。当の宮石夫妻は亡くなっている。利用された被害者の子どもはそう重要なものでもない。だから安全だ、とりあえずは」
それはそうだな。
では、小柴さんが他を差し置いても宮石家を守った理由とは?
親父の意に背くとどうなるかは重々承知のはず。
「なぜかばったの?」
更に尋ねる僕を、目を細めて冷ややかに見る。
「ここは地にめり込むほど礼を言うところだろ?不要だけど」
「すみません。気が焦ってしまいました。小柴さんが助けてくれなければ、僕の大切な人たちは…」
どうなっていただろう。
言葉に表すことさえ耐え難い。
「ああ」と言って、ほんの数秒の沈黙後、彼は話しだした。
「宮石の兄妹は俺が隠した。お前たち速水一家は、宮石家に身を寄せていたが、匿ったのはあの時一緒に亡くなった別の人間だと報告した。宮石家は何も知らずに巻き込まれた良心的なフェイクだと」
「親父たちはそれを信じてるの?」
「だろ。当の宮石夫妻は亡くなっている。利用された被害者の子どもはそう重要なものでもない。だから安全だ、とりあえずは」
それはそうだな。
では、小柴さんが他を差し置いても宮石家を守った理由とは?
親父の意に背くとどうなるかは重々承知のはず。
「なぜかばったの?」
更に尋ねる僕を、目を細めて冷ややかに見る。
「ここは地にめり込むほど礼を言うところだろ?不要だけど」
「すみません。気が焦ってしまいました。小柴さんが助けてくれなければ、僕の大切な人たちは…」
どうなっていただろう。
言葉に表すことさえ耐え難い。
