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僕ら× 1st.

第14章 P波 --Khs,Ior

では、小柴さんの子どもはどこにいるのだろう?
生きていれば、20代か。

親父たちに気取られないよう、両親とは全く別の道を歩んでいるのだろうな。

「息子さんは元気?」

小柴さんが守りたい希望のひとつは、現在どう過ごしているの?

「ああ、元気だよ…お前も知ってる。宮石の家の和波だよ」

「ええ…………っ‼‼‼」

まさかっ!
まさかここで僕のよく知った男の名前が出るなんて……‼

僕の出生から現在までの一通りを知る男…宮石和波が実は…。
これは、前代未聞とも言える驚愕だった。

「代理出産を受けてくれたのは、お前の彼女の母親、雪野さんなんだ。そして、俺の彼女はその妹…美波(ミナミ)。それが、俺が宮石家をかばう理由だ」

「思い出にふけって、つい長くなったな」、と詫びるので、僕は首を横に振る。

「和波兄は小柴さんと花野の叔母さんの子…」

「そう。出産してくれた義姉を未婚の母にするわけにもいかないし、事情を知ってる白峯が引き取ってくれたんだよ」

そうか。
花野の母親は、その後に結婚した……。
では、宮石家の白峯さんは何者?

「白峯さんって、花野のお母さんとこの執事だったの?」

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