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僕ら× 1st.

第14章 P波 --Khs,Ior

「そう。宮石家には元々、執事がいなかったみたいで…現在あそこの当主夫妻(花野の父方祖父母)は難民支援に飛び回ってるだろ?」

だな。
僕も2度しか会ったことがない。

家族みんなで会いに行った時と、事故の時。

あんな危険な場所に子どもたちを連れていけないと、親たちは何度も祖父母に帰国を勧めていたけれど。

「高梁家の執事だった白峯は、主の結婚とともに宮石家に入ったんだ」

「花野のお母さんが主?ああ、そうか」

母方祖父母はお星様になったと聞いたことがあった。
両親亡き後、姉妹のみの高梁家。
なら主は姉(花野の母)。

「その時点では亡くなっちゃいないよ?真実は蒸発。次女を連れ戻そうとして捕らえられ、監禁されながら俺を恨んだことだろ。孫がいることも長女が事故死したことも知らない…あの頃の親父はね、旧勢力を従わそうと必死だったんだよ」

花野の祖父母が?
それは、何とか助け出したい。
と思ったが、"その時点では"ということは?

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