
僕ら× 1st.
第14章 P波 --Khs,Ior
「こ、小柴さん。ごめんなさい。僕……ここ知ってる」
目を見開いて小柴さんは僕に注目する。
「去年の夏、ここにあった2体を焼却場まで運んだ……顔は見てないけど…同じ部屋、同じ手形……2人は手を繋いで……た…」
柊兄が毒づいていたあの異物は、小柴さんへの見せしめだったんだ……。
突起先のクリップには、本人がしたためたであろうメッセージが取りつけられていた。
ふたりの娘への気遣い。
そして白峯さんへ、高梁家を頼むと。
「去年の夏?本條の依頼か?」
本来なら依頼は極秘。
仲間内でもそれは守られなければならない。
「……ごめんなさい。花野の、祖父母だったなんてっ」
膝の間に抱えた頭を落として僕は、この残酷な仕打ちを呪った。
僕に処理を任せたのは、なぜ…?
親父の側では、宮石家と高梁家は繋がっていないはず。
それなら、僕がその孫の彼氏だというのは偶然…。
小柴さんに僕から伝わると踏んだか。
これは事実だと。
裏切ればどうなるかを。
小柴さんだけでなく僕にも克明に刻むために。
「いや、大変だったな…」
小柴さんは、僕の頭を撫でてくれる。
もっと丁重に、焼却から納骨までを見守るべきだった…。
自分とは縁のない用務員夫妻だとしか思っていなかった。
目を見開いて小柴さんは僕に注目する。
「去年の夏、ここにあった2体を焼却場まで運んだ……顔は見てないけど…同じ部屋、同じ手形……2人は手を繋いで……た…」
柊兄が毒づいていたあの異物は、小柴さんへの見せしめだったんだ……。
突起先のクリップには、本人がしたためたであろうメッセージが取りつけられていた。
ふたりの娘への気遣い。
そして白峯さんへ、高梁家を頼むと。
「去年の夏?本條の依頼か?」
本来なら依頼は極秘。
仲間内でもそれは守られなければならない。
「……ごめんなさい。花野の、祖父母だったなんてっ」
膝の間に抱えた頭を落として僕は、この残酷な仕打ちを呪った。
僕に処理を任せたのは、なぜ…?
親父の側では、宮石家と高梁家は繋がっていないはず。
それなら、僕がその孫の彼氏だというのは偶然…。
小柴さんに僕から伝わると踏んだか。
これは事実だと。
裏切ればどうなるかを。
小柴さんだけでなく僕にも克明に刻むために。
「いや、大変だったな…」
小柴さんは、僕の頭を撫でてくれる。
もっと丁重に、焼却から納骨までを見守るべきだった…。
自分とは縁のない用務員夫妻だとしか思っていなかった。
