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僕ら× 1st.

第14章 P波 --Khs,Ior

「……お前の彼女が、アルの彼女になったらか?」

小柴さんだってさっきから僕の考えてることなんかわかってたんだろ?
なら教えてくれ……。

険しい気持ちの僕は無言で頷く。
僕が離れれば、きっとアル兄は動く。

「……たぶん無事。今までも宮石の名前は親父には伝えていないし。ただ、結婚は認められないかもしれないな。白峯が黙ってないだろ」

ああ、そういう方向の心配があるのか…。
そういう点では、晄志の横の方が安全かもしれない。

「そこはアル兄が何とかするよ…」

以前は、自分以外の男が花野と…結ばれても、あらゆるところから手を伸ばして引き離そうと思っていた。

でも、兄貴だったら…僕は。
そして、晄志なら?

花野に誠意ある男なら、花野がそれで幸せなら僕は…。

でも、僕には……。
花野しかいないのにっっっっ!

キリキリと軋む自分の脳細胞に鞭打って、解決策を探し出せと命令する。

喘ぐ僕に、小柴さんが声をかける、打診する。

「さっきの話、"優"はまだ言ってなかったけど、聞きたい?」

優良可、不可の話か?

「…うん、聞きたい」

これ以上思い浮かべることのできない僕には、ブレーントップの最上策を聞き仰ぐしかない。

僕が他の彼女を作るよりもいい行動とは?

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