
僕ら× 1st.
第15章 学校祭 --Ar,Shu,Ior
ざわざわとした体育館内。
席には空きがあったけど、前も後ろも同じ高さで見えにくいために、俺らは壁際に立った。
舞台の端に、誰もいない楽団スペースが見える。
置いてあるパイプ椅子からするに、2人だけじゃないのか。
ん?
ほぼ同時にそれに気づいたアルと言葉を交わす。
「なぁ、ピアノ置いてある?」
「わかんね。ドラムもある?」
でも、ピアノにドラムって大きいから見失うことなんてないよな。
そして、先に置いておくよな?
どうなってんだ?
他で使ってんのか?と思いながら待っていると、楽器を持った生徒たちが入ってきた。
その中に、花野ちゃん…。
向かって左から2番目に立ち、その右に管楽器が2人、チェロとコントラバスが1人づつ。
そして伊織と誰かが後ろに陣取る。
そして、指揮者……。
「あれ、バイオリン?」
花野ちゃんの片手にある楽器は…。
「ヴィオラっていうんじゃねぇか?」
アルの言う通り、バイオリンより少し大きいもんな。
「花野ちゃん、弦楽器もできるんだ…」
「そういや、兄貴はチェロを弾くとか聞いたことあったな」
楽器を構える彼女は、後ろをチラッと見る。
すると、打楽器後方の伊織が首を軽く傾けて微笑んだ。
ミュージカルが始まる。
彼女たちに眩しい照明は当たらないが、隣の男はそこしか見ていない。
集中した彼女は研ぎ澄まされて、普段のぽやんとしている顔がウソのよう。
髪をアップにしていることもあり、小さなオケピの中で、ひときわ新鮮で目を引いた。
席には空きがあったけど、前も後ろも同じ高さで見えにくいために、俺らは壁際に立った。
舞台の端に、誰もいない楽団スペースが見える。
置いてあるパイプ椅子からするに、2人だけじゃないのか。
ん?
ほぼ同時にそれに気づいたアルと言葉を交わす。
「なぁ、ピアノ置いてある?」
「わかんね。ドラムもある?」
でも、ピアノにドラムって大きいから見失うことなんてないよな。
そして、先に置いておくよな?
どうなってんだ?
他で使ってんのか?と思いながら待っていると、楽器を持った生徒たちが入ってきた。
その中に、花野ちゃん…。
向かって左から2番目に立ち、その右に管楽器が2人、チェロとコントラバスが1人づつ。
そして伊織と誰かが後ろに陣取る。
そして、指揮者……。
「あれ、バイオリン?」
花野ちゃんの片手にある楽器は…。
「ヴィオラっていうんじゃねぇか?」
アルの言う通り、バイオリンより少し大きいもんな。
「花野ちゃん、弦楽器もできるんだ…」
「そういや、兄貴はチェロを弾くとか聞いたことあったな」
楽器を構える彼女は、後ろをチラッと見る。
すると、打楽器後方の伊織が首を軽く傾けて微笑んだ。
ミュージカルが始まる。
彼女たちに眩しい照明は当たらないが、隣の男はそこしか見ていない。
集中した彼女は研ぎ澄まされて、普段のぽやんとしている顔がウソのよう。
髪をアップにしていることもあり、小さなオケピの中で、ひときわ新鮮で目を引いた。
