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僕ら× 1st.

第16章 Lost --Khs,Ior,Kn

~依田晄志side~

2学期終業、今夜にはクリスマス。

宮石ピアノの礼で竹崎と出掛ける。
デートとは言いたくない。

一旦家に帰って私服に着替えた俺たちは、竹崎最寄りの駅から落ち合う。
示しあわせておいた2両目のドア横に座っていると、時間通りに乗り込んで来た彼女。

普通に黙っていれば、まぁ女のコ。
ストレートロングの髪の毛が揺れる。

「可愛いじゃない」

そう言うと、竹崎はニッコリ笑う。

「ヨーダの趣味はわかりやすいからね。清楚なロリータ」

ひらっとスカートを翻す。

「そういうわけでもないよ」

「じゃ、ポルノでも見に行こっか」

「何でだよ?清楚はどこへ行ったよ?」

「無理したって仕方ないでしょ?」

「だからって何でお前と」

いちいち映画館でポルノなんだよ?
そんなとこ一介の中学生が入れるのかよ?

「興奮しちゃう?」

「さっさとごはん食べて帰るぞ」

相変わらずな女だな、まったく。

宮石は間違ったってそんなこと言わない。
カッコじゃなくて、内面を模倣しろよ。

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