テキストサイズ

僕ら× 1st.

第16章 Lost --Khs,Ior,Kn

とりあえず授業を受けて現実逃避を図る。

でも、あまり身が入らないので、ボケッと考え事。

さっきの新聞の写真…、あれは本当にリルと私?

そりゃあ、ギュッてされたけど、あんなだっけ?
一瞬、顔を寄せてはいたけれど、キスなんてしてないよ?

あのブレス…、私が選んだ。
でももしも、あれと同じものがあったら、私は見分けられる?

確かにこっちだと自信をもって言えるかな?

飼い主とペットの様な信頼関係を、物とも繋げられる?
"私に選ばれた物"として名乗りをあげたいと思ってくれている?
愛着は双方に作用する?

選んだ人の思いは、物の中に詰まる?

物にも感情は発生する?

その囁きに気づかないだけで。

私のこの髪の毛も、リルを想っているのかなぁ……。

ええと、何を考えていたんだっけ?
私はいっつも脱線しちゃうなぁ…。

あ、そうそう。
リルのブレスが本物かどうかよね。

今度、石の模様を観察しておこ……。

と解決したところで、「花野ちゃんー。彼氏が来たよー!」とクラスメイトに呼ばれて顔を上げた。

あれ?いつの間に授業が終わったんだろ…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ