無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

冬休み、お兄ちゃんが帰って来た。
「リィは元気？」と尋ねられ、「元気だよ」と答える。

今年度は外せない試験があるから、休みの間は会う日がなくて寂しいけれど仕方ないね。

彼がくれたマグで温まりながら、早朝に自分の部屋で考える。

初めての本気チョコ、私のお気に入りのブランドの。
甘さと苦さが絶妙な、お兄ちゃんも"一番うまい"って言ってくれるお店の。

サイズも量もあんまり多くなくて、欲しいときに気軽につまめるくらいの。

ラッピングには、青い鳥と白い雲のリボンを使おう。
角度によって虹色に光る石、ホワイトラブラドライトをちょこんとつけたら可愛いかな？

あとは、どうやって伝えるか。
"好き"という言葉は今までも口にしている。
チョコだって毎年渡してきた。

だから私の気持ちを伝えるのは、今までしたことのないこと。

カードを書こう。

だけど、なかなか言葉が見つからない。

まだ時間はある。
ゆっくり考えよう。

それでホワイトデーに伊織君が笑ってくれたら、"おつきあいしてください"って言おう。

どうか、伊織君に届きますように。