
僕ら× 1st.
第16章 Lost --Khs,Ior,Kn
一体何をしているんだろう……。
何かで1位になったように、人差し指を高らかにあげて……。
放課後の教室で、花野はいつも通りのマイワールドを展開していた。
あの女とのやり取りを聞かれていたことなんて一瞬の内に飛んでいき、今まで通りの調子で花野に声をかけてしまった。
僕に気づいた花野は、慌てて腕を下ろす。
可愛い花野。
僕の沈んだ気分を瞬時に葬り去る技をもつ女のコ。
お互いの両親が事故死した時だって。
時間を戻せば、動作を逆回転すれば、事故前に行けるかもと言って、会話を逆再生したり、ピアノを終わりから弾いて僕を笑わせた。
その奇妙奇天烈キュートな発想は、落ち込んでいる僕を慰めてくれる。
キミがいるだけで僕は笑顔を取り戻せる。
キミがいるから僕は立っていられるんだ。
キミの隣が一番居心地がいいんだ。
キミじゃないと嫌なんだ。
それはよくわかってる……。
「あのこれ、受け取ってください」
僕が近づくとすぐに、花野は教室内で手渡してくる。
敬語か…。
ここで、別れる気かもしれない。
そんな予感しかしなかった。
それを見た生徒が「熱いね、ご両人」などと冷やかしてくる。
涙が出そうだった。
唇を噛み顔をしかめて必死に塞き止める。
僕が受けとると、彼女は走って廊下の向こうに消えていった。
「ばいばいっ」と言い置いて。
何かで1位になったように、人差し指を高らかにあげて……。
放課後の教室で、花野はいつも通りのマイワールドを展開していた。
あの女とのやり取りを聞かれていたことなんて一瞬の内に飛んでいき、今まで通りの調子で花野に声をかけてしまった。
僕に気づいた花野は、慌てて腕を下ろす。
可愛い花野。
僕の沈んだ気分を瞬時に葬り去る技をもつ女のコ。
お互いの両親が事故死した時だって。
時間を戻せば、動作を逆回転すれば、事故前に行けるかもと言って、会話を逆再生したり、ピアノを終わりから弾いて僕を笑わせた。
その奇妙奇天烈キュートな発想は、落ち込んでいる僕を慰めてくれる。
キミがいるだけで僕は笑顔を取り戻せる。
キミがいるから僕は立っていられるんだ。
キミの隣が一番居心地がいいんだ。
キミじゃないと嫌なんだ。
それはよくわかってる……。
「あのこれ、受け取ってください」
僕が近づくとすぐに、花野は教室内で手渡してくる。
敬語か…。
ここで、別れる気かもしれない。
そんな予感しかしなかった。
それを見た生徒が「熱いね、ご両人」などと冷やかしてくる。
涙が出そうだった。
唇を噛み顔をしかめて必死に塞き止める。
僕が受けとると、彼女は走って廊下の向こうに消えていった。
「ばいばいっ」と言い置いて。
