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僕ら× 1st.

第16章 Lost --Khs,Ior,Kn

流れてくる音声を、感情のない空洞の人間になったつもりで聞いた。

「それでさぁ、ちょっと胸元見せて可愛い子ぶったら即OKよ。連絡先教えてって」

「ええ?すっごーい!速水っておカタいし、宮石一直線なのに」

「鼻の下延ばして、宮石とは別れるって言ったよ」

「きゃー、面白ーいっ!いつ別れるかな?」

「宮石にぞっこんの女がいてさ、バレンタインに視聴覚室で渡すとか聞いてたから、その廊下に同時刻、速水を呼び出したのよ。

宮石が出てきたら、ブラウスはだけて速水に抱きついてやろうって思ってたんだけど、あの女トロくってさ、予鈴ギリギリにやって来るの。でも、室内で速水の裏切りは聞いてたはず」

「えー、じゃあ、もう別れたんだ?」

「多分ね。今頃、宮石泣いてるんじゃね?」

「かわいそー。ま、アレはほっといても男が寄ってくるからね。吉坂もあの女にたらしこまれたし」

「あー、ニーナさんも諦めたあの吉坂アル?」

「そ。あいつ顔と身体だけはとにかくいいし。でも、中身はサイテー。どう?」

「でも、フリーでしょ?私は略奪したいのよ。速水とハメドリして宮石に送りつけるんだ。あの女、どうするかな?」

「3月以内にできる?」

「そんなの2月以内にするわよ。今まで宮石とシていた男が、挿入先無くしたらたまっちゃって困るでしょ?」

「させてやんの?」

「腕次第ね。へたっぴだったら写真だけ撮って捨てるわ」

「速水か。真面目っぽいけど、どうなのかな」

「宮石より私の方がいいって身体でわからせるわ。それから捨てるの…あ、でも、お金持ってそうだしなぁ。貢がせちゃおうかな」

「もう余裕でしょ。あの女が勝てるわけないって。あ、栗田に知らせてやらなきゃね。速水ゲイ疑惑をまくだけじゃぬるいっての」

「もう連絡済み。傷心宮石につけ入るチャンスだって教えてやったのに、"この受験のタイミングでか?"って怒んのよ。あの男、密かに宮石に本気」

「ヤリチンの名が廃るね」

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