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僕ら× 1st.

第16章 Lost --Khs,Ior,Kn

***

まずはこの春に、サセコと小柴彼女(美波)さんとを入れ替える。

あれから入院先へは何度か様子を見に行ったが、監視は緩かった。

小柴さんに人質奪還の意思なしとみているのだろう。
確かに彼は折れきっている。
それだけの時間を過ごしたんだ。
花野祖父母の死亡も確定となり。

問題は、彼女さんとサセコの全身状態の違いだ。
見た目を似せても、カルテはその違いをまざまざと見せつけるだろう。
年齢からして違う。
医療スタッフなら気づかないわけない。

仕方ない、サセコには2度死んでもらおう。
旅行では口腔内が1部でもあれば本人確認できるだろう。
なくったっていいかもしれないが、流石に僕とサセコの2人ともあがらないのは信憑性に欠ける。

院内で他を巻き込むことはできない。
だが、責任を追求される院長は親父側のダメ男。

ブレーンサイドの人質が1人、美波さんだけになったことは、この際好都合だ。
そして僕は、まだ中学生。
精々見くびっていればいい。

勝機が見える。

あ、名前を間違えないようにしなきゃな。
可愛い可愛いセラちゃんだ。

このドッキリに気分よく乗ってくれるよう、そそのかさなきゃなんないからな。

FXで貯めた金、この秋までに使い果たしちゃうな。
最近の情勢は不透明この上ないし、大学入ったら真面目にバイトでもするか。

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