
僕ら× 1st.
第16章 Lost --Khs,Ior,Kn
「…あの女の方がヤれそうだから?」
「表現わっる。ま、間違っちゃいない」
白い歯を見せるが、目は伏せたまま。
ウソだろ?
「見損なったわ。ふざけても裏切ったりしないヤツだと思ってたのに」
小津が手を振り上げても、伊織は逃げなかった。
「って。グーで殴るか?」
ぶたれた片頬に手をやっても、視線は沈んだまま。
小津はそんな伊織を尻目に教室を出ていく。
「俺も殴ってやろうか?お前、誰にもとられたくないんじゃなかったのかよっ?」
ヤツはやっと顔を俺に向けた。
小津にやられたせいで、口の端が切れて血が滲んでいる。
「なぁ、晄志。俺、笑ってるように見える?」
「パッと見はね。薄気味悪い」
いつもの伊織じゃない。
唇についた血をペロッと舐める。
「よし」
「"よし"じゃないだろ?宮石にまた拒否られて当て付けか?」
「おお」
とポンと手を叩く。
"おお"じゃないだろ?
宮石との未来をなぜ諦めた?
「表現わっる。ま、間違っちゃいない」
白い歯を見せるが、目は伏せたまま。
ウソだろ?
「見損なったわ。ふざけても裏切ったりしないヤツだと思ってたのに」
小津が手を振り上げても、伊織は逃げなかった。
「って。グーで殴るか?」
ぶたれた片頬に手をやっても、視線は沈んだまま。
小津はそんな伊織を尻目に教室を出ていく。
「俺も殴ってやろうか?お前、誰にもとられたくないんじゃなかったのかよっ?」
ヤツはやっと顔を俺に向けた。
小津にやられたせいで、口の端が切れて血が滲んでいる。
「なぁ、晄志。俺、笑ってるように見える?」
「パッと見はね。薄気味悪い」
いつもの伊織じゃない。
唇についた血をペロッと舐める。
「よし」
「"よし"じゃないだろ?宮石にまた拒否られて当て付けか?」
「おお」
とポンと手を叩く。
"おお"じゃないだろ?
宮石との未来をなぜ諦めた?
