
僕ら× 1st.
第16章 Lost --Khs,Ior,Kn
***
新聞部を追い払い、自分の教室に帰った時には、伊織は鞄ごといなくなっていた。
各生徒の様子伺いHRが終わった後、伊織にコールしてみると、意外にもヤツはすぐに応じた。
「南校舎4階」と言って切るので、足を向けてみるが誰もいない。
窓から顔をだし周囲を見回すと、ヤツは東校舎の5階からヒラヒラと手を振った。
ニッと笑って下を指差し、反対の手で"4"を作る。
あの野郎っ!
渡り廊下のある3階まで降りて、また4階へ。
「どういうつもりなんだっ?」
始めっから東4階と言えばいいだろっ?
「晄志がひとりか確認したかった」
伊織は俺の方を見ずに、廊下窓から下を見下ろし答える。
「宮石のこと、今も好きなんだろ?」
校庭の端にある校舎の1階の一隅、第2音。
小さく見えるその部屋には誰もいない。
「もう、終わったんだ…」
「そうは思えない」
別れるにしてもこんな別れ方?
あの女に何かされたのか?
新聞部を追い払い、自分の教室に帰った時には、伊織は鞄ごといなくなっていた。
各生徒の様子伺いHRが終わった後、伊織にコールしてみると、意外にもヤツはすぐに応じた。
「南校舎4階」と言って切るので、足を向けてみるが誰もいない。
窓から顔をだし周囲を見回すと、ヤツは東校舎の5階からヒラヒラと手を振った。
ニッと笑って下を指差し、反対の手で"4"を作る。
あの野郎っ!
渡り廊下のある3階まで降りて、また4階へ。
「どういうつもりなんだっ?」
始めっから東4階と言えばいいだろっ?
「晄志がひとりか確認したかった」
伊織は俺の方を見ずに、廊下窓から下を見下ろし答える。
「宮石のこと、今も好きなんだろ?」
校庭の端にある校舎の1階の一隅、第2音。
小さく見えるその部屋には誰もいない。
「もう、終わったんだ…」
「そうは思えない」
別れるにしてもこんな別れ方?
あの女に何かされたのか?
