
僕ら× 1st.
第18章 雲の中 --Shu,Kn
花野ちゃんの入学式、帰りに和波さんも交えて4人でランチをした。
髪を短くした彼女は、言葉少なにうっすらと微笑む。
その日の夜、アルの部屋で伊織の箱をそっと開く。
青と白、2色のリボンのついたボタンが中に入っていた。
このリボン、見覚えがある。
2人が別れた日、伊織の部屋で見た。
花野ちゃんからのバレンタインチョコ。
その小さな箱についていたはず。
「伊織、花野ちゃんなんだろ?お前のスイートって……このリボン、花野ちゃん知ってるかな?」
絶対に花野ちゃん由来のリボンだ。
でも、俺はアルの疑問に口を閉ざした。
リボンに繋がれたは、制服のボタン。
伊織は卒業式に、このボタンを花野ちゃんに渡すつもりだったんだろうな。
いつから軸が変わったのだろう?
アルの母親が亡くなった後、文化祭の前……。
その頃からずっと抱えていたのか?
こんな重大なことを、ひとりで……。
「イオ、……」
机に頭をくっつけるアルの横で顎に手を添える。
俺の考えが正しいのなら、実行は伊織1人ではないはず。
怪しいのは伊織の直属上司。
秘密裏の作戦なら、俺たちには教えてはくれないだろう。
もう少し情報がほしい。
小柴の口をかち割る黄金の石が。
髪を短くした彼女は、言葉少なにうっすらと微笑む。
その日の夜、アルの部屋で伊織の箱をそっと開く。
青と白、2色のリボンのついたボタンが中に入っていた。
このリボン、見覚えがある。
2人が別れた日、伊織の部屋で見た。
花野ちゃんからのバレンタインチョコ。
その小さな箱についていたはず。
「伊織、花野ちゃんなんだろ?お前のスイートって……このリボン、花野ちゃん知ってるかな?」
絶対に花野ちゃん由来のリボンだ。
でも、俺はアルの疑問に口を閉ざした。
リボンに繋がれたは、制服のボタン。
伊織は卒業式に、このボタンを花野ちゃんに渡すつもりだったんだろうな。
いつから軸が変わったのだろう?
アルの母親が亡くなった後、文化祭の前……。
その頃からずっと抱えていたのか?
こんな重大なことを、ひとりで……。
「イオ、……」
机に頭をくっつけるアルの横で顎に手を添える。
俺の考えが正しいのなら、実行は伊織1人ではないはず。
怪しいのは伊織の直属上司。
秘密裏の作戦なら、俺たちには教えてはくれないだろう。
もう少し情報がほしい。
小柴の口をかち割る黄金の石が。
