
僕ら× 1st.
第18章 雲の中 --Shu,Kn
木陰で2人、座ってのしんみりお茶タイム。
白黒のセキレイがちょんちょんと歩道を跳ねて進み、突然に飛び去る。
私を呼ぶ声とともに、シャーッと自転車に乗った吉坂先パイがやって来たから。
「花野ちゃん!」
「あ、先パイ。こんにちはー。本を借りに来られたんですか?」
自転車を脇に停めてこちらにズンズンとやって来る。
あれ?ご機嫌ナナメ?
「いや、和波さんにここだと聞いて…知り合い?」
知り合いと言われると定義がよくわからないけど。
ハンカチをお借りして紅茶までいただいたのに、"違う"なんて言えない。
「はい。落とし物を届けてくださったんです」
「……ナンパじゃねぇの?」
と、ジロジロと先パイは彼を見る。
何か嫌なことでもあったのかな…?
「先パイ、そんなんじゃないですっ」
「ふふ。じゃ、俺はこれで。じゃね、花野ちゃん」
私の手にあったハンカチを取り、彼は手を振った。
あ…洗濯…、でも次いつ会えるかもわからないし。
それに、私の名前…。
あ、さっき吉坂先パイに呼ばれたからか…。
「何?あいつ」
歩き去る彼の背中、……。
「ね、先パイ。あの人、伊織君に似ていませんか?」
「あのおっさんが?…イオはもっとチビで可愛くてクソ生意気!」
「それっ、褒めてないっ!」
まったくもうっ!
そんなに大きな声で言ったら、あの人に聞こえるからっ!
と、植え込みの向こうでリストバンドの手がひらっとあがった。
白黒のセキレイがちょんちょんと歩道を跳ねて進み、突然に飛び去る。
私を呼ぶ声とともに、シャーッと自転車に乗った吉坂先パイがやって来たから。
「花野ちゃん!」
「あ、先パイ。こんにちはー。本を借りに来られたんですか?」
自転車を脇に停めてこちらにズンズンとやって来る。
あれ?ご機嫌ナナメ?
「いや、和波さんにここだと聞いて…知り合い?」
知り合いと言われると定義がよくわからないけど。
ハンカチをお借りして紅茶までいただいたのに、"違う"なんて言えない。
「はい。落とし物を届けてくださったんです」
「……ナンパじゃねぇの?」
と、ジロジロと先パイは彼を見る。
何か嫌なことでもあったのかな…?
「先パイ、そんなんじゃないですっ」
「ふふ。じゃ、俺はこれで。じゃね、花野ちゃん」
私の手にあったハンカチを取り、彼は手を振った。
あ…洗濯…、でも次いつ会えるかもわからないし。
それに、私の名前…。
あ、さっき吉坂先パイに呼ばれたからか…。
「何?あいつ」
歩き去る彼の背中、……。
「ね、先パイ。あの人、伊織君に似ていませんか?」
「あのおっさんが?…イオはもっとチビで可愛くてクソ生意気!」
「それっ、褒めてないっ!」
まったくもうっ!
そんなに大きな声で言ったら、あの人に聞こえるからっ!
と、植え込みの向こうでリストバンドの手がひらっとあがった。
