
僕ら× 1st.
第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn
妹に告白され気分よく自室に戻るところ、兄貴が走って来たので、足を止める。
兄貴が廊下を走るなんて何事?
「帆澄!じいさんとばあさんが事故った!」
急いで支度を済ませ、飛行機に飛び乗った。
宮石の祖父母。
片手で足りるくらいしか会ってない気がする。
治安も悪く、環境の整わない土地に住んでいるんだ。
何があってもおかしくはないけれど。
白峯と兄貴は2人で操縦席。
俺は、隣でクジラのぬいぐるみを抱き締めながらぎゅっと目を閉じている妹の肩に手を乗せる。
「力抜け?大丈夫だから。大きく息を吐いて…。そしたら自然と新しい空気が吸い込まれる」
素直に俺に従う妹。
「もう1回」
何度か繰り返すと、ニコッと笑って俺を見る。
「治った!」
「だろ?はい、ご褒美」
持ってきていたチョコの包みを渡す。
「わあ!お兄ちゃん、用意がいいね!」
「ね、ね……Never Gonna Give You Up……花野、"P"だよ?」
思いついた俺は、歌しりとりを振りかける。
「えっ?P?PーPuff, the Magic Dragon」
「"ン"はダメだろ?」
「でも、"N"だよ?さっきお兄ちゃん、Never~って」
「じゃあ、これってどうなったら終わるんだ?」
「始まったら終わんないね」
俺たちの会話が耳に届いているであろう兄貴が、静かに笑った気がした。
兄貴が廊下を走るなんて何事?
「帆澄!じいさんとばあさんが事故った!」
急いで支度を済ませ、飛行機に飛び乗った。
宮石の祖父母。
片手で足りるくらいしか会ってない気がする。
治安も悪く、環境の整わない土地に住んでいるんだ。
何があってもおかしくはないけれど。
白峯と兄貴は2人で操縦席。
俺は、隣でクジラのぬいぐるみを抱き締めながらぎゅっと目を閉じている妹の肩に手を乗せる。
「力抜け?大丈夫だから。大きく息を吐いて…。そしたら自然と新しい空気が吸い込まれる」
素直に俺に従う妹。
「もう1回」
何度か繰り返すと、ニコッと笑って俺を見る。
「治った!」
「だろ?はい、ご褒美」
持ってきていたチョコの包みを渡す。
「わあ!お兄ちゃん、用意がいいね!」
「ね、ね……Never Gonna Give You Up……花野、"P"だよ?」
思いついた俺は、歌しりとりを振りかける。
「えっ?P?PーPuff, the Magic Dragon」
「"ン"はダメだろ?」
「でも、"N"だよ?さっきお兄ちゃん、Never~って」
「じゃあ、これってどうなったら終わるんだ?」
「始まったら終わんないね」
俺たちの会話が耳に届いているであろう兄貴が、静かに笑った気がした。
