
僕ら× 1st.
第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn
明るく過ごせた機体内であったけど、現地ではそういうわけにもいかず。
その有り様に妹の目をふさぐのが精一杯だった。
板の上に2人は横になっていた。
身なりが整っているのは、この地で温かく迎え入れられていたことを証明する。
でも、このうだる暑さ。
遺体は虫に好まれ、そこかしこでうごめく。
連絡を受けて半日で到着した俺たちだけど、その連絡をくれるまでに何日かあったかもしれない。
信仰心厚い現地民たちが、2人を生き返らせようと、あれこれまじないを駆使したあとが窺えた……。
ことの発端は、ゾウの回廊に足を踏み入れた子どもをかばったことらしい。
子ゾウと出くわした子どもたちは騒ぎ立て、駆けつけた親ゾウたちが襲ってきた、と。
「ここで生きて、ここに骨を埋める気でいらしたから。……ご立派な最期です」
「みなさん、よくしていただきどうもありがとうございます」
白峯と兄貴が持ってきた布を2人にかける。
横から伸びた手を妹がそろそろと握った。
「おじいちゃん、おばあちゃん。パパとママには会えた?もし伊織君を見つけたら、宮石のおうちにお戻りって言ってね。花野が待ってるって伝えてね?」
自分の手に乗り移った虫の気持ち悪さを我慢して、震えながら妹は言う。
「取ってやるよ」
手の中でウニウニしている虫どもを払い、除去してやる。
お別れの後、現地の花と虫と共に土に埋まっていく。
現地民の葬送の歌を、妹と肩を寄せて聴いた。
その有り様に妹の目をふさぐのが精一杯だった。
板の上に2人は横になっていた。
身なりが整っているのは、この地で温かく迎え入れられていたことを証明する。
でも、このうだる暑さ。
遺体は虫に好まれ、そこかしこでうごめく。
連絡を受けて半日で到着した俺たちだけど、その連絡をくれるまでに何日かあったかもしれない。
信仰心厚い現地民たちが、2人を生き返らせようと、あれこれまじないを駆使したあとが窺えた……。
ことの発端は、ゾウの回廊に足を踏み入れた子どもをかばったことらしい。
子ゾウと出くわした子どもたちは騒ぎ立て、駆けつけた親ゾウたちが襲ってきた、と。
「ここで生きて、ここに骨を埋める気でいらしたから。……ご立派な最期です」
「みなさん、よくしていただきどうもありがとうございます」
白峯と兄貴が持ってきた布を2人にかける。
横から伸びた手を妹がそろそろと握った。
「おじいちゃん、おばあちゃん。パパとママには会えた?もし伊織君を見つけたら、宮石のおうちにお戻りって言ってね。花野が待ってるって伝えてね?」
自分の手に乗り移った虫の気持ち悪さを我慢して、震えながら妹は言う。
「取ってやるよ」
手の中でウニウニしている虫どもを払い、除去してやる。
お別れの後、現地の花と虫と共に土に埋まっていく。
現地民の葬送の歌を、妹と肩を寄せて聴いた。
