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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

30分くらい打ち上がるから、その間に風呂でも入っとくか。

そして、湯上がりのラフな服装で、水を飲みながらスマホを覗く。
ライン着信が4件。

え?ハニィっ?

と開いたら、やっぱり圭でガックリ。

でもその内容に俺は愕然とする。

1つめは屋台での晩ごはん画像とすごうまコメント。
夏祭りのナンパなんて面倒と断った俺への当て付けかよ。

2つめ、花火前に河辺で俺の妹を認めたと。
すごいイケメンと手を繋いで歩いていたと……。

……すごいイケメン?

依田、じゃないのか?(失礼っ)

それに手を繋いでって、彼氏ができたってのか?
俺を好きって言ってくれたのは、ついこの間なのに!

3つめ、『花火最高潮!触り放題!お前も来ない?』
そんなんどうだっていい。
ハニィの画像は?

4つめ、終わりそうなので混む前に引っ掻けた女と帰ると。
勝手に帰ってヤっとけよ、おい……。

ハニィからはまだ、終わったという連絡もないのに。

ヤキモキした俺は、半乾きの髪のまま自転車に乗り駅へ急いだ。
到着の頃にハニィからラインが入る。

家まで送ってもらうと……。

「うっそだろ…」

その男、クルマかよ?
てことはやっぱり依田じゃない。

家に戻り着いた俺を見つけてハニィが飛んで来る。

「お兄ちゃん!ごめんなさいっ!迎えに来てくれたのに、先に帰っちゃって、連絡もしなくて!ごめんなさいっ!」

俺の身体にすがりついて潤んだ瞳で見上げてくる。

全てを許してしまいたくなる可愛さだけど……。

「誰に送ってもらったの?」

やや不機嫌に俺は言い放つ。

遅れて玄関に出て来た兄貴が口を挟む。

「友だちとタクシーだよ」

「友だちってマコちゃん?」

ここで肯定なんかするなよ?
俺のハニィなら、隠れて男を作ったりなんかしないよな?

「えと、マコとは途中で別れて。そのあとに一緒に夏祭りに行ったのは友だちというか、先パイなの。伊織君のお兄さん」

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