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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

「リィの兄貴?」

ああ、サマフェスの後にマコちゃんが何か言ってた気がするな。

「うん……」

ハニィは頷く。

「で?つきあってんだ?」

手を繋いでたっていうからには。

と思ったけど、ハニィはすぐに首を振る。

「ううん」

否定?
でも何、その反応?…頬染めて……。

「ホント?カッコいい男なんだろ?」

俺の嫉妬心はむくむくと頭をもたげ。

「帆澄。リィの兄貴は俺も知ってる。しっかりした男だよ」

兄貴の保証なんて俺の気持ちを煽るだけ。

「だからって男と2人で花火だなんて」

と、俺はハニィをなじってしまう。

「ごめんなさい」

うつむくハニィに悪いとは思いつつも俺は止まれない。
手を繋いだだけで終わったわけないだろう?
その男に何かされただろ?
圭ほどじゃないにしても。

「花火に行くとは聞いたけど、男と行くって言わなかっただろ?」

デート、だなんて。

「それくらいいいだろ?ハニィだって息抜きは必要だよ」

「だからって、夜に男と……」

さらに口を開きかけた俺の首を、兄貴はガシッと羽交い締めにしてきた。

「父親みたいな兄貴で困るなぁ?ハニィ」

「ううん。心配してくれてありがとうね。ハン(帆澄)、本当にごめんなさい」

再度、俺を見上げるハニィ。
その可愛い顔をその男にも見せたのか?

「じゃあハニィ、風呂入って休め?帆澄は俺と飲み明かすか?」

兄貴は俺の右脇腹を背中からぐりぐり押して、俺を牽制した。

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