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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

渋々そのままハニィにおやすみを言って、俺は兄貴に肩を組まれたまま押されながら歩いた。

「入れ?」

兄貴は俺を自室にいざなう。

「……気持ちはわかるけど、お前さ…」

苦言を吐かれる前に、問いただしたかった。
2人の関係を知りたかった。

「リィの兄貴が何でハニィを?」

「もう3年以上ハニィに片想いしてる」

「……やっぱハニィを狙ってるのか?それでリィはハニィと別れたのか?」

リィが何もないのにハニィを振るなんて考えられない。
兄貴に譲ったってなら、少しは……。

「違う。リィがいる間は引き下がってたよ。感情を押し殺してリィのこと応援してた。いなくなってからは、ハニィのこと慰めてくれてる。いい男だよ」

そう言われても俺の中のモヤモヤは払拭できない。

「だからって、つきあってもないのに…」

「ハニィにだってボーイフレンドを作る権利はあるだろ?お前、自分のこと棚に上げすぎ。今まで何人とつきあった?」

それはそうだけど、俺は男で、ハニィは女のコなんだから。

「2人が手を繋いでたって、見たヤツがいるんだ!」

そんな俺に冷ややかな視線を送る兄貴。

「で?どんな男か確認するために駅まで走ったのか?」

「……ああ」

わかってるよ。
異常なのは、俺……。

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