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僕ら× 1st.

第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu

~吉坂侑生side~

花火見物の際に花野ちゃんの横に押し入ってきた男は、柊の差し金だった。

帰り道で柊に、"エロおやじがいてさ"と話すと、ニヤッとしながら打ち明けてきた。
彼女と俺がもっと接近できるように、と。
俺が殴りかからないか内心冷や汗だったらしい。

おかげで花野ちゃんと密着して花火を見ることができたけど、柊に一杯食わされたみてぇな気分。
花野ちゃんならいざ知らず、柊の手の中で孫悟空状態かよ…。

何はともあれ、花野ちゃんに告白した。
する予定はなかったんだけど、伊織を追う気なのかと不安になって、俺といるのに伊織のことばっか考えてるようで悔しくて。
俺の方を向いてくれと言いたくて。

結果が"ごめんなさい"なのは予想通り。
だからこれからだ。

少しずつ俺を…いや力ずくで俺を…クソッ、どうしたらいいんだよっ?

他の女は何もしないでも簡単に俺のこと好きとか言ってくるのに、どうして彼女はっ!

伊織に似てるとか言って、図書館で会ったおっさんなんかに頬染めてさ。

そんなにヤツがいいのかよ?
ヤツはいねぇじゃねぇかよ!

花野ちゃん、俺のこともっと考えてほしいな…。
俺はキミだけ、ずっと想ってる。

いつか振り向いてくれると信じてる。
だって、キミの大好きな伊織はいないんだから。

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