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僕ら× 1st.

第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu

「な、俺に敬語はもうやめて?花野ちゃんをもっと近くに感じたい。侑生って呼んでほしい」

伊織と同じ位置に…いや、もっとキミの近くにいきたいんだ。

「俺んとこ来いよ。イオの分も好きになってやるから。俺にこんなこと言わせんの、花野ちゃんしかいねぇよ?」

「吉坂先パイ、…噂どうり俺様なんですね」

俺様?俺が?
ま、涙を拭いながら俺の台詞にクスクス笑ってくれるのは嬉しいけど。

「言っただろ?先パイじゃなくて、侑生!敬語なし!じゃねぇと、キスするぞっ?」

「えっ!その取り引き無効です!」

顔の前で指で"バツ"を作る姿が可愛らしくて。

「よし、言った!目つぶれ!」

勢いに任せて苛めたくなる。

「‼」

「ふふっ、嘘だよ。したいけど、無理にしねぇよ」

伊織はどうやってこのコを惚れさせたのだろう。

「先パイ……私、伊織君のこと忘れられそうにないんです」

っ!言われたよ……。
また泣いたよ……。

苦しくて俺の胸はキュルキュルと悲鳴をあげる。
今、キミの傍にいるのは、伊織じゃなくて俺、なのに。。

「そんなの、わかってるさ。…でもっ、まだイオを好きなままで構わないから、俺の傍にいなよ。予約しただろ?」

今までこらえていたキミへの想い。
もう、堰を切ったように溢れてくるんだ。

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