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僕ら× 1st.

第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu

~宮石花野side~

2学期、2年前の始業式を思い出す。
伊織君の前で泣き続けた私。

2年経った今も、吉坂先パイに泣きついて。

全然成長してないね……。

「ねぇ、花野。あれからアル先パイと夏祭りに行ったの?」

休み時間にマコが尋ねてきた。

「え、あ……うん」

マコ。
昔は吉坂先パイを好きだったけど、今は滝沢君がいるからいいかな?

「2人で?柊先パイは?」

「柊先パイはお祭りの入り口で別れたの」

「じゃあ、ホントにデートだったんだ」

デート…、妹とじゃデートにならないとは言ったけど、妹じゃなかったから「…………そうなるかな」。

「で、どうだったの?」

「うん。ねぇ、マコ。吉坂先パイの声って伊織君と似てると思わない?」

「それほどでも。アル先パイの方が低くてセクシーで艶があってカッコいい」

「そっか、そうよね…」

でも私、吉坂先パイの声に伊織君を浮かべちゃうんだよね。
吉坂先パイは伊織君の未来型ってことかな。

だからドキドキするんだよね……。

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