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僕ら× 1st.

第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu

「ね?」

、、うん。
やや上目使いで可愛くお願いされた俺は、目を閉じた、けれど。

いきなりクラッカーは鳴らないよな?
そんなもの柊は渡してないはずだし。
でも、俺が怒りそうなことなんだろー?

心細げに待っていると、頬に軽く触れる。

「えっ?」

思わずぱっと目を開ける。

「侑生君、ありがとう」

椅子に乗り、俺と同じ目線で少し照れて笑う彼女がいた。

俺の名前っ!
いや、その前にキス!

この花野ちゃん、本物?
俺の視界、本物?
また、俺の妄想じゃねぇのか?

思いがけない出来事に混乱しだす俺がいて。

「目、つぶらなきゃよかった。ね、今のもう1回やって?次はこっち」

俺は反対側の頬を指差す。

「おしまい!」

椅子から降りた彼女は、ぷいっとそっぽを向く。
か、可愛い!

「ちぇっ……ありがとう。まさか花野ちゃんからキスされるなんてな、油断したよ」

ほっぺだけど、彼女からの初キスで!
侑生君だって!

柊が仕組んだったってことを忘れるくらい、俺は秋風に溶けた。

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