
僕ら× 1st.
第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu
***
私が彼氏の変態ぶりに気づきだしたこの季節。
外は秋晴れというのに、ギャラリーの多いガヤガヤとした体育館。
今日は校内の武道大会。
出場者以外は応援の1日。
大会と同時に体育祭が幕開け、この結果が各グループの点数に加算されるから、自然と熱気がこもる。
「ふぅ、やっぱあの男、カッコいいね」
黄色い声援の渦中で柔軟体操中の男を、観客席から見る。
「あの男って?」
幾分か脂肪分を取り戻した花野が、周りを見回す。
「あんたの吉坂だよ」
「私のじゃないよ!」
「告白されたんでしょ?」
この間、廊下ですれ違ったヤツに、"俺、有力候補"ってご機嫌で言われたし。
あんまりフリーな校内で話しかけないでほしいのよね。
取り巻きに睨まれるっての。
「それは、まぁ」
「つきあうんでしょ?」
今のあんたには断る理由がないはずよ?
速水よりハンサムやし、速水より背が高いし、速水より単純で扱いやすそうやし。
願ってもないハイスペック男やん?
「いや、私は失恋中だし」
「失恋中だからいいじゃない。あ、吉坂がこっち見てるよ」
花野は、戸惑いつつ手を振った。
ニシッと笑った吉坂は、自分の頬に当てた指を唇に押しつける。
私が彼氏の変態ぶりに気づきだしたこの季節。
外は秋晴れというのに、ギャラリーの多いガヤガヤとした体育館。
今日は校内の武道大会。
出場者以外は応援の1日。
大会と同時に体育祭が幕開け、この結果が各グループの点数に加算されるから、自然と熱気がこもる。
「ふぅ、やっぱあの男、カッコいいね」
黄色い声援の渦中で柔軟体操中の男を、観客席から見る。
「あの男って?」
幾分か脂肪分を取り戻した花野が、周りを見回す。
「あんたの吉坂だよ」
「私のじゃないよ!」
「告白されたんでしょ?」
この間、廊下ですれ違ったヤツに、"俺、有力候補"ってご機嫌で言われたし。
あんまりフリーな校内で話しかけないでほしいのよね。
取り巻きに睨まれるっての。
「それは、まぁ」
「つきあうんでしょ?」
今のあんたには断る理由がないはずよ?
速水よりハンサムやし、速水より背が高いし、速水より単純で扱いやすそうやし。
願ってもないハイスペック男やん?
「いや、私は失恋中だし」
「失恋中だからいいじゃない。あ、吉坂がこっち見てるよ」
花野は、戸惑いつつ手を振った。
ニシッと笑った吉坂は、自分の頬に当てた指を唇に押しつける。
